​DIVERSITY PARADE

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パレードで会いましょう

■森友問題のヤバさ

 熱狂的な愛国教育を推進してきた森友学園に小学校を建設させるために、安倍政権と大阪維新の会が幅を利かす大阪府が、特別にいろいろ便宜を図り国有地をただ同然の値段で売りました。便宜を図ったことを隠すために、公文書の改ざんまでが行われており、関与が疑われる役人に自殺者までが出ました。これは異常事態です。
 ながく権力の座についている安倍政権は、外交的には大国気取りのタカ派路線でむやみに緊張を作りだし、国内的には拝金主義と極右イデオロギーで結束し、あちこちで政治のあるべき姿を歪めています。そうやって政治が腐敗して一番困るのはこのような国で暮らす人間です。
 組織のトップの腐敗を隠蔽する作業に部下が巻き込まれ、個人が持つ良心がねじ曲げられる…これはなにも財務省に限った話ではなく、周りを見渡せば至る所で起きていることです。これは人間が安心して働き、安心して学べる人間らしい社会とは言えません。このまま放置して良いわけがありません。

■大阪のヤバさ

 排外主義と権威主義とが手をとりあって社会に浸透し、国会では議論の出来ない議員が威張り散らすようになっています。これがいまの日本で起きていることです。このヤバい風潮の震源地のひとつは間違いなく大阪です。
 小学校の建設には府議会の承認が必要ですが、その府議会で圧倒的な勢力を持っているのは大阪維新の会です。維新の強力な後押し抜きに今回のスキャンダルは考えられません。大阪維新の会・松井一郎代表は知らん顔をしていますが、森友学園前理事長に「手のひらを返した政治家」の筆頭として名指しで批判されています。
 維新の会はテレビから生まれた政党です。大阪で作られるテレビ番組で維新批判に触れる機会が少ないのは、全国放送で安倍政権批判を見ることが少ないのと同じで、「メディア受け」を強く意識する集団が権力を握っているからこそ起こることなのです。大阪発の情報バラエティ番組の代表に「そこまで言って委員会NP」がありますが、この番組は頻繁に大阪維新の会と安倍政権を持ち上げる放送を行ってきました。同番組は、隣国に対する恐怖と敵意を煽動することにも熱心なことで知られています。平和や人権、多様性を求める人間の声を「お花畑」として嘲笑し、権力者にすり寄り、弱者を叩いて競争を煽り、他国への不信と敵意を煽り、それらをすべて「娯楽」として提供する。人間の尊厳の回復や平和共存の大切さを訴える人を「反日」呼ばわりし、労働条件の改善や人間らしい暮らしの大切さを訴える人を「サヨク」呼ばわりしてヘラヘラ笑う。かれこれ20年近く続いている長寿番組ですが、その人気の延長上にあるのが現在の大阪であり、日本なのです。この流れは大阪から止める必要があるし、ダイバーシティーパレードを大阪で行う意義はここにあるとさえ言えます。

■社会状況のヤバさ

 街角では日の丸を掲げた集団が「愛国心」を隠れみのにしてヘイトスピーチを行い、書店にはマイノリティへの偏見を植え付け、隣国への憎悪を煽るような「嫌韓・嫌中」本が並べられています。インターネット上では荒唐無稽なフェイクニュースがまことしやかに拡散され、日々あらたな偏見と憎悪を生んでいます。テレビでも、一部の悪質な情報バラエティ番組がおもしろおかしくネットデマの拡散に手を貸しています。そうして世の中にバラまかれた情報は、徐々にこの社会から多様性を奪い、活力を奪う方向に作用するでしょう。差別が娯楽と一体化し、理不尽な暴力の被害者がバッシングを受けるような社会で楽しく元気に生きていけるはずがありません。
 実際に、今の状況に危険を感じて日本を離れてしまった人もいます。化粧品で有名なDHCの会長は自社のホームページで、在日コリアンに対して「祖国へ帰れ」といった典型的なヘイトスピーチを書いていますが、そのDHCがスポンサーを務める情報バラエティ番組「ニュース女子」(東京MXテレビ)は番組の中で、人権団体「のりこえねっと」代表の辛淑玉さんを名指しで批判し、ネット上に溢れる差別的なデマを地上波で撒き散らしました。放送後、辛淑玉さんは自宅に脅迫状が送られただけでなく、見知らぬ人から直接罵倒されることや、取引先に匿名の通報がなされることが増えたと語っています。デマが流れれば、必ずそれに感化されて行動に移す人がいます。身の危険を感じた辛淑玉さんは日本を離れ、ドイツに移住しました。
 日本社会のために、立場を明らかにして発言してきた人が移住を余儀なくされるような国は、多様性が保たれた平和な国とは言えません。デマや偏見は、その中身のいい加減さにかかわらず、現実に被害を生むこと、その結果として社会から活力が失われることをこのエピソードが象徴しています。「ニュース女子」にせよ「そこまで言って委員会NP」にせよ、面白おかしくデマを流して差別と偏見を助長するような番組を「まぁ、表現の自由だよねー」とユルく放置するのか、ダメなものはダメとはっきり抗議するのか、そのあたりで社会の質というのは変わってくるのだと思います。
 社会に対して建設的な異議申し立てをした人、不正義に対して声をあげた人がバッシングを受けるようでは、ますます社会はダメな方向に歪むような気がします。まったくのびのびしていないし、明るさもおおらかさもない。このままでは日本は時間も金も余裕がなくなり人間らしい感性を擦り減らし日々の生活に精一杯で、色々なことに無関心になってしまった人ばかりの、活力も面白みもない国になってしまいそうです。

 

 


■パレードで会いましょう

 この社会がズルズルと悪化していく前に、どこかで止めないといけませんし変えないといけません。取り返しがつかないレベルで歪んでいるとしても何もしないわけにはいかないでしょう。たとえ歩みは遅くとも「どうせ世の中こんなもん」と安易にシニカルに流れず、仲間とともに一歩ずつ前に歩んでいくしかない。
 権力者の傲慢な態度に怒っている人、社会状況に違和感を覚えている人は是非このパレードに参加してください。きっと素敵な仲間が見つかる。口を開けばマイノリティへの差別や偏見を語りたがるネトウヨにイライラしている人も大歓迎。みんなが抱いているまっとうな怒りとか、どうなってんのこの世の中?みたいなモヤモヤが、肯定的なメッセージの形になることに気づくでしょう。最高な音楽を聴きながら仲間たちと一緒に街を歩けば自然に笑顔になるし、そういうのって伝染しますからね。ひとりひとりのちょっとした勇気が、思いがけない変化をつくるかもしれない。無限に多様な個人が無限な多様な形で結びついて、新しい可能性を垣間見せてくれるようなパレードになれば最高ですね。
 たくさん人が集まればそれだけニュースになります。多様性を讃えるパレードに多くの人が集まったという事実は、参加できなかった人にもきっと勇気を与えるでしょう。ダイバーシティパレードは、この社会にすでにある多様性を祝福するお祭りです。それではみなさんパレードで会いましょう。

 

​伊藤健一郎
仲良くしようぜパレード共同代表